1.2. コンテナからデータを送信する

intdashサーバーに文字列"Hello"を送信するコンテナを新しく追加して、計測する方法を説明します。

習得する内容

計測の仕組み
デバイスコネクターサービスの追加方法

計測を行うために必要なサービスが起動される仕組み

Terminal System 2は、アプリケーションの実行にDocker Composeを利用し、計測はDocker Composeのmeasurementプロジェクトとして実行します。

../../_images/about_measurement.png — 図 1 Docker Composeにより、計測に必要なサービスを起動

デバイスコネクターは、measurementプロジェクトで使用するオーバーライドファイル(docker-compose.override.yml)の services として記載されています。

その内容を変更する場合は、オーバーライドファイル(docker-compose.override.yml)を直接更新するのではなく、デバイスコネクターサービスファイルを用意し、それをオーバーライドファイルに反映させるという手順をとります。

以降の手順で、新しいデバイスコネクターサービスを追加して計測する方法を説明します。

デバイスコネクターサービスの追加

新しいデバイスコネクターサービス Hello を追加します。

開発用PCで、以下のコードブロックをコピーして、デバイスコネクターサービスファイル Hello.yml を作成してください。

image: python:stretch
entrypoint: python3
command: >
    -c
    "while True:
        import struct, sys, time;
        f = open('${DC_UPSTREAM_FIFO_0}', 'wb');
        now = int(time.clock_gettime(time.CLOCK_MONOTONIC_RAW) * 1_000_000_000);
        sec = int(now / 1_000_000_000);
        nsec = int(now - sec * 1_000_000_000);
        f.write(struct.pack('<LLHHL6s2s5s', sec, nsec, 6, 2, 5, b'string', b'ab', b'Hello'));
        time.sleep(1);
        f.close();
    "
depends_on:
    intdash-edge-agent2:
        condition: service_healthy
volumes:
    - /var/run/core/intdash:/var/run/intdash
restart: unless-stopped
substitution_variables:
    - key: DC_UPSTREAM_FIFO_0
      default: ""
      validation: "^/var/run/intdash/"
      display_strings_i18n:
        - locale: jpn
          name: FIFO Path
          description: intdash Edge Agent 2へデータを送信するためのFIFOのパス

この例では python:stretch イメージを利用します
DC_UPSTREAM_FIFO_0 で指定されたFIFOパス（自動生成）に、iscp-v2-compatフォーマットの文字列データ Hello を1秒間隔で書き込みます

注釈

デバイスコネクターサービスは、Composeファイルの services 相当の内容を設定可能です。

scpまたはMenderのファイル転送などで、作成したファイルをエッジコンピューターの以下のパスにコピーします。
```
/var/lib/core/docker-compose/measurement/services/Hello.yml
```
Mender Web UIにアクセスし、デバイス画面の[Inventory]タブで、 device_connector_services を確認し Hello が追加されていることを確認します。

設定の変更

追加したデバイスコネクターサービス Hello を利用して計測するように、エッジコンピューターの設定を変更します。

事前に、エッジコンピューターで以下の設定が済んでいることを確認してください。
- intdashサーバー接続設定
- アップストリーム設定

デバイスコネクターIPC設定で、 up-hello 設定を追加します。

Mender Web UIにアクセスし、デバイス画面の[Configuration]タブで、 agent.device_connectors_upstream に以下を設定してください。

例:

[
   {
      "id": "device-inventory",
      "data_name_prefix": "v1/255",
      "dest_ids": [
         "default-upstream"
      ],
      "format": "iscp-v2-compat"
   },
   {
      "id": "up-hello",
      "data_name_prefix": "v1/10",
      "dest_ids": [
         "default-upstream"
      ],
      "format": "iscp-v2-compat"
   }
]

デバイスコネクター設定で、デバイスコネクターサービス Hello を利用する設定に変更します。

Mender Web UIにアクセスし、デバイス画面の[Configuration]タブで、 device_connectors に以下を設定してください。

[
   {
      "id": "device-inventory",
      "upstream_ipc_ids": [
         "device-inventory"
      ],
      "downstream_ipc_ids": [],
      "service_id": "Device Inventory",
      "service_substitutions": []
   },
   {
      "id": "hello",
      "upstream_ipc_ids": [
         "up-hello"
      ],
      "downstream_ipc_ids": [],
      "service_id": "Hello",
      "service_substitutions": []
   }
]

設定をエッジコンピューターに適用します。

注釈

Mender Web UIからデバイスコネクター設定を変更すると、設定したデバイスコネクターサービスの内容に合わせて、計測時に利用するオーバーライドファイル(docker-compose.override.yml)を更新します（次章で説明するコミット操作を自動的に行います）。
計測を開始し、新しく追加したデバイスコネクターサービスで計測ができることを確認します。

Mender Web UIの measurement-start リリースをデプロイするか、デバイスにログインして以下のコマンドを実行してください。
```
$ curl -X POST http://localhost:8081/api/v3/docker/composes/measurement/start
```
intdashサーバーに文字列"Hello"を送信するコンテナを新しく追加し、計測することができました。
動作確認後、計測を停止します。

Mender Web UIの measurement-stop リリースをデプロイするか、デバイスにログインして以下のコマンドを実行してください。
```
$ curl -X POST http://localhost:8081/api/v3/docker/composes/measurement/stop
```

次章では、コンテナを更新する方法を説明します。